Publish: February 12, 2022
Publisher: 青土社
Translator: 原島大輔
ISBN: 978-4-7917-7446-3
Country: Japan
Language: Japanese
Details/Translations:
Description:

 

これら、カント以降のドイツとフランスの哲学を、再帰性と偶然性という二つのキーワードで整理する著者の目論見は壮大である。
— 小山虎,図書新聞

 

技術と社会や人間性について、どのような思考がこれまで蓄積されてきたのかを概観するのに実に手軽な一冊です。
— 永田希,ダ・ヴィンチ

 

ポスト・シンギュラリティの哲学
フィードバックシステムをそなえ限りなく有機体に接近した機械に取り込まれて、私たちはいやおうなくシンギュラリティに推し進められていく。果たしてそのような未来は一直線の道路なのか? それとも潜在的な可能性を含んだ豊穣な分岐たり得るのか? 後者に賭けるために、偶然性を呑み込んで必然性と化す機械の中に飛び込み、そこから再び偶然性を奪還しようとする。それは唯一のシステムという幻想を粉砕し、宇宙と技術の多元性に向かう可能性が秘められているからだ。21世紀の思想史に名を刻むであろう哲学者の思想が凝縮された待望の邦訳。


[目次]

日本語版まえがき
謝辞
まえがき(ハワード・ケイギル)

序 サイケデリックな生成
第1節 理性の冒険
第2節 不可視の自然、可視の精神
第3節 偶然性と合目的性
第4節 機械論と生気論を超えて
第5節 偉大なる成就
第6節 諸器官の衝突
第7節 生態学以後、太陽破局以前
第8節 未来の宇宙論者たち
第9節 カントとシステムのモデル

第一章 自然と再帰性
第10節 哲学の有機的な条件
第11節 フィヒテの自我における再帰性
第12節 霊魂と自然における円環性
第13節 自然哲学における再帰性
第14節 有機体論と生態学のパラダイム
第15節 一般有機体、ガイア、あるいは人工地球

第二章 論理性と偶然性
第16節 『精神現象学』における再帰性
第17節 有機体論と反省の論理
第18節 「自然における概念の無力」
第19節 論理の肯定としての自然の死
第20節 一般再帰性としてのチューリングマシン
第21節 ウィーナーのライプニッツ主義
第22節 サイバネティクスのサイバネティクス
第23節 弁証法の情報
第24節 計算不可能性とアルゴリズム的偶然性

第三章 組織化された無機的なもの
第25節 有機体論から器官学へ
第26節 形式と火、あるいは生命
第27節 デカルトと機械的諸器官
第28節 テクノロジーの哲学者としてのカント
第29節 『創造的進化』における器官学
第30節 規範と偶有
第31節 不思議の火

第四章 組織化する無機的なもの
第32節 普遍サイバネティクス、一般アラグマティクス
第33節 心理的かつ集団的な個体化にける再帰性
第34節 偶然性の器官学
第35節 自然あるいは芸術
第36節 第三次予持と先制
第37節 無機的な有機性あるいは生態学
第38節 地の原理あるいは根拠律
第39節 ポストモダン性と再帰性

第五章 非人間のなごり
第40節 技術圏あるいはキリスト発生
第41節 非人間対システム
第42節 システム以後の偶然性、あるいは技術多様性
第43節 感性と徹底
第44節 有機体論、器官学、そして宇宙技芸


訳者あとがき
参考文献
索引


[著者]ユク・ホイ (Yuk Hui)
ロンドン大学ゴールドスミスにて哲学者ベルナール・スティグレールによる指導のもと博士論文を執筆。ドイツのロイファナ大学リューネブルクで哲学の大学教授資格を取得し、著作は十数か国語で翻訳されている。2014年より哲学と技術のリサーチネットワークを主宰。現在、香港城市大学で教鞭に立つ。

[訳者]原島大輔(はらしま・だいすけ)
早稲田大学次世代ロボット研究機構研究助手。基礎情報学/表象文化論。訳書にティム・インゴルド『生きていること』(共訳、2021年)。著者に、『クリティカル・ワード メディア論』(共著、2021年)、『AI時代の「自律性」』(共著、2019年)、『基礎情報学のフロンティア』(共著、2018年)など。